ミュージカル「星とたんぽぽ~マルアエと黄泉の国~」2018年2月3日 初演をご覧いただいた方のご感想です。
~全盲でいらっしゃる大嶋潤子さんのご感想です~
一つのミュージカルを二つの視点から観る。
その視点とは、肉体の眼という視点と、心の眼という視点。
肉体の眼で観ている人は、ダンサーたちの素敵な踊りや、
スクリーンに映し出される美しい映像からも、ストーリー展開を知る。
でも、それが見えない人は…、見えないので(笑)、本来であればストーリー展開が、全く分からない事になる。
つまり、目隠しをしてテレビを観ているようなもので、何をやっているのか皆目わからないのだ(笑)。
ところが、昨日大嶋が観たミュージカルは違った。
ナレーション、セリフ、そして何よりも雄弁だった歌と音楽。
それを聴いているだけで心の眼にはストーリー展開が映る。
音が映像をかきたてるのだ。
だから、音声ガイドは要らない。
音声ガイドなくして、ストーリー展開を知ることができる作品が、他にあるだろうか。
晴眼者は、映像と音で世界を知る。
視覚障碍者は、音で世界を知る。
見えている景色は 違うかも知れないけれど、見ている世界は、同じなのだ。
何て豊かな時間の共有だろう!
世界初のバリアフリー・ミュージカル 【星とたんぽぽ マルアエと黄泉の国】
その全てを創り上げた声楽家で作曲家、脚本家で演出家である鬼才・加藤洋一さんに心からの大拍手をおくります!